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2006年10月 2日 (月曜日)

Philophobia / Arab Strap

Philophobia_1 先頃解散を発表したArab Strapが1998年にリリースした2ndアルバム。最新作"The Last Romance"を聴いた後ではサスガに地味ですが、打ち込みと生楽器をBGMに呟くように歌う簡素な楽曲は、より生々しいArab Strapらしさが強く感じられます。

「それは君がこれまでに見た中で一番大きなチ○ポだった」という歌詞で始まる「恋愛恐怖症」と名付けられたアルバムから感じられるのは、仄かに明かりが灯った部屋で一人で過ごし、あらゆる感情が意志とは無関係に消失点へ引き寄せられていくような孤独。そして、唯一の救いがその明かりに照らされた出口への道の存在ではなく、自分と同じ孤独感を持った人(=Arab Strap)の存在であるという奇妙な感覚。

外向的なエネルギーを持った曲もポップな曲も激しい曲もあるのに、全体を聴き終わるとそれら全てが幻だったかのように感じられる全体を貫く恐るべき統一感。そして、シンプルを究めた表現方法が結果的にポストロック的なアプローチへ辿り着くという事実。さらに、そんな自己相反性を抱えて放たれた音楽の持つものが、実は正のエネルギーであるという最大級の逆説。

これまで体験したことのない種類の形而上の素晴らしい作品だけに、今、改めてArab Strapの解散の持つインパクトの大きさに打ち拉がれてしまいます。

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ファーストインプレッション」カテゴリの記事

コメント

ホント、ドラマティックに仕上げなくても感情に響く音が作れるという見本のような音楽ですね。激しさがない分、無理なく自分のココロにシンクロするというか…

ラストアルバムはレアトラックなども含まれているようなので楽しみですね。ただ、去年からSix. by Seven、The Delgados、Grandaddyと大切なバンドの解散続きで凹み気味です。

投稿: Jun | 2006年10月 6日 (金曜日) 午後 11時46分

JUNさん、お久しぶりです。
早速レビューを拝見しました。
このアルバムに感じていた事を、文章にしてもらった様で嬉しいです。
このアルバムがベストと言う意見も多いようです。
なんと言っても・・・・・イケナイ裏ジャケがナイスです(笑)
すべてのアルバムについて言える事ですが、彼等の音楽には激しく感情を揺さぶられます。
精神的にしんどい時は、聴くのを躊躇う程です。
私は、メランコリーな音楽を好んで聴いているのですが、
・・・・・メランコリーにも程があります(笑)
ベスト盤、間もなく発売ですね。
現在私は、通販オンリーのライヴ盤「THE CUNTED CIRCUS」の到着を首を長くして待っているところです。
しかし、何年待たされてもいいから新譜を聞きたかったですね。

投稿: ikey | 2006年10月 3日 (火曜日) 午後 06時18分

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