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2009年6月

2009年6月29日 (月曜日)

Manners / Passion Pit

Manners The Walkmenらの作品を手がけたChris Zaneプロデュースによるマサチューセッツ出身の5ピースバンドのデビューアルバム。最初聴いたときには「流行に乗っかったエレポップバンド」の登場かと思いましたが、何度か聴く間に徐々に印象が変化。

確かに表面的にはエレクトロポップですが、シンセサイザーは単に表現手法として活用している印象が強く、作品としてはインディーロックっぽさを感じる内容。The Chemical Brothersの"Star Guitar"の香りが漂ってくる"The Reeling"など、時々ツッコミを入れたくなることもあるものの、基礎が比較的シッカリしていることもあって、上っ面だけを辻褄合わせしたようないい加減さはなし。

但し、琴線に触れるような楽曲があることを認めた上で、ナヨっとしたメロディと軽めのエレクトロポップ的アレンジの絶妙な邂逅による今回の成功体験が、次作以降も続くかどうかはちょっと微妙かも…

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2009年6月28日 (日曜日)

Veckatimest / Grizzly Bear

Veckatimest ブルックリン出身の4ピースバンドによる3rdアルバム。アコースティック系楽器に音響的味付けをしたサウンドは時折温かさを感じさせるものの、過度の迎合の姿勢を見せることはなく、基本的にはヒンヤリと、そして独特の距離感で展開。

繊細さを強みとしながらも、広めの音場に様々な音を配した"Southern Point"、ほのかな甘さを感じさせるメロディとアレンジの"Two Weeks"、冷めた表情の中に垣間見える人間的な暖かさがLowを彷彿とさせる"Fine For Now"など、人工的な工夫の中に自然な美しさを放つ楽曲が多数。

人懐っこさや鮮やかさを持つ楽曲が多い訳ではありませんが、曲から滲み出してくる不思議な魅力があって、気づけば何度もリピートして聴いているという作品。単純にメロディが良いというよりは、個々のメロディの色を活かすために徹底的に練り上げられたサウンドプロダクションの良さの勝利。推薦盤。

そんな彼らは今年のサマーソニックに登場します。サマソニに行く方は是非!(あまりの心地良さに眠ってしまうかも知れないけど)

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2009年6月27日 (土曜日)

魂のゆくえ / くるり

Tamashiinoyukue 約2年ぶりの8thアルバム。しばらくの間、エレクトロニカ、バンドサウンド、クラシカルといった明確なテーマを打ち出したアルバムのリリースが続いていましたが、今作はロックあり、昭和風ポップスあり、クラシカルな要素ありとゴッタ煮的内容。

比較的ストレート&シンプルな"愉快なピーナッツ"みたいな曲もありますが、個人的に気になるのはピアノが大活躍している楽曲達。懐かしさを感じさせるピアノが一昔前のメロディにジャストフィットする"夜汽車"、透明感溢れるフレーズが印象的な"さよならリグレット"、ダイナミックに動き回るラインがポップなメロディにピッタリの"魂のゆくえ"など、名曲多し。

ただ、鮮やかなメロディやアレンジを突きつけ、思わずハッとするようなタイプの曲はほとんどなく、リスナーサイドから楽曲の中に主体的に入り込まなければ、聞き流してしまいそうな「微妙な良い曲」がダラダラと垂れ流される展開は相変わらずで、それが「らしく」て微笑ましく、何か嬉しい。

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2009年6月21日 (日曜日)

Man of Aran / British Sea Power

Manofalan 約1年ぶりの新作はRobert J. Flahertyによる1934年制作の"Man of Aran"というドキュメンタリーフィルムのサウンドトラック。ほぼ全編インストゥルメンタルの楽曲群は、British Sea Powerならではの側面を含みながら、やはり過去の作品とは異質。

ストリングスやギター、ピアノなどで静寂の割合が高いモノクロームかつスケール感の大きなサウンドスケープを描いたかと思えば、Sigur Rosばりの美しいサイケデリック感覚を持つ凶暴性を表に出すなど、彼らの持つ両極端の音楽性を生々しく、より露わに表現。

抽象性が高く長尺の楽曲群は音だけで聴いていると集中力を保つのは難しいですが、同梱のDVDで映像と共に聴くと音が敢えて映像に委ねた最後の1ピースが絶妙に埋められて印象が変貌。その意味で、サントラとしてのデキはハイレベル。

ただ、やっぱりコレをBritish Sea Powerのオリジナルアルバムとして評価するのはちょっと無理があるかな。

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2009年6月20日 (土曜日)

Hands / Little Boots

Hands BBCの"Sound of 2009"で第1位に選ばれたVictoria Hesketh演じるLittle Bootsのデビューアルバム。サウンド的には笑ってしまうほど80年代エレクトロポップ直系サウンドで、他に上位に選ばれたバンド共々、業界の仕掛けのキナ臭さも少々。

キャッチーなメロディをエレクトロニクスで仕上げたサウンドは鮮やかさとメリハリがあるので、耳に飛び込んで来やすい一方で、「シンセサイザーを使えば新しい!」といった当時のどうしようもなく低レベルな思想的恥部がなく、キッチリと今風に整理されたクールなアレンジになっているところにちょっぴり違和感。

あとは、中世的なボーカルのせいもあり、この手の音での重要な要素である(と勝手に思っている)エロティシズムが欠落していて、「メロディのデキ=曲のデキ」を超えることができないのは痛いところ。耳を惹くのに充分な曲もあり、個々の曲のデキは悪くないものの、フルアルバムとなると途中から常に満腹感との戦闘状態。

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2009年6月19日 (金曜日)

MewとMuseのニューアルバム

Mewが2005年の"And The Glass Handed Kites"以来となる4年ぶりの5枚目のアルバムを8月24日に発売するようです。

タイトルは"No More Stories Are Told Today I'm Sorry They Washed Away No More Stories The World Is Grey I'm Tired Let's Wash Away"だとか。

Museが2006年の"Black Holes And Revelations"に続く5枚目のスタジオアルバム"The Resistance"を9月14日にリリースすることが決まったようです。

また、11月にはイギリスとアイルランドでツアーが入っているので、来日があるとすればBig Day Out絡みの来日ラッシュになる来年2月あたりでしょうか。

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2009年6月16日 (火曜日)

New Orderのニューバンド

元(うーむ)New OrderBernard SumnerStephen MorrisPhil Cunninghamが元ベーシストのPeter Hook抜きで新バンドBad Lieutenantを結成したようです。

ベースにはBlurAlex Jamesを起用していて、バーニーがBBCに語ったところによれば既にアルバムのレコーディングは完了していて、10月にリリースする予定だとか。

内容に満足してご機嫌なバーニーは「俺たちは2つの派閥に分かれた。1つは俺とSteveとPhil、もう1つはPeter Hookだ。やつはバンドを去った。あの件で俺が言いたいのはそれだけだ」とも言ってます。

いつものジャレ合い喧嘩の雰囲気はなく、どこまでも他人行儀なところが、ちょっと切ない。

原文はコチラ

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2009年6月15日 (月曜日)

The Killersフジロックフェスティバルをキャンセル!

週末の間、チラホラと噂が出ていましたが、The Killersが今年のフジロックフェスティバルへの出演をキャンセルすることが発表されています。詳しくはコチラへ。

準トリくらすなんだから、"unforeseen circumstances"という理由じゃ納得しづらいよなあ。The Killers目当てで見に行く人が気の毒すぎる。

フジロックはトリ、準トリクラスのキャンセルが多いですが、去年に続いてグダグダにならないことを祈ります。

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Hombre Lobo: 12 Songs of Desire / Eels

Hombrelobo 約4年ぶりとなる7thアルバムは、メロウな楽曲が中心だった前作から路線を修正して、前々作"Shootenanny!"で聴くことが出来たゴツゴツ&ザラザラした手触りが復活し、ポップなメロディ、嗄れたボーカルと相まって、味のあるロックに仕上がっています。

一番の強みは即効性と持続性の高いメロディが揃っていることで、そんな基本仕様のレベルの高い楽曲をパンチの効いたロック調にアレンジしたり、激シブのブルース調に仕上げたり、メランコリックな味付けを加えたり、甘酸っぱさをデフォルメしたりと、引き出しの数と奥の深さで見事に演出。

まあ、「良いときのEels」と言ってしまえば身も蓋もありませんが、曲の良さとアレンジの豊富さが絶妙なバランスで結びついた内容は満足度充分。緩めの曲のホンワカとした味わい深さも良いですが、攻撃的な楽曲とローファイなサウンドは相性は抜群で、首元にナイフを突きつけられたような生々しさも。

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2009年6月14日 (日曜日)

West Ryder Pauper Lunatic Asylum / Kasabian

Westryderpauperlunaticasylum Gorillazらを手がけているDan The Automatorをプロデューサに起用した約3年ぶりの3rdアルバム。まず最初に感じたのはJim Abbiss時代のグルーヴ一点主義的アプローチと決別し、サウンドプロダクションに大人の余裕的なものが見られること。

力尽くで踊らせてやろうという意図が弱まった分、アルバムとしては若干パワーが削がれた印象はありますが、これまでになくシンプルな曲や従来通りド太い音でグルーヴを放つ曲、個々の楽器のアンサンブルでリスナーを巻き込んでいくタイプの曲など、これまでグルーヴの背後に隠れていた部分が改めて表面化してきた感じ。

それでも、どの曲を聴いてもKasabianの作品だとピンと来るアイデンティティの強力さは見事で、1stから2ndへのど派手な進化こそないものの、着実にな深化によりステージアップしていることを確認できる内容。充実作。

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2009年6月13日 (土曜日)

Wall of Arms / The Maccabees

Wallofarms ロンドン出身の5ピースによる2年ぶりの2ndアルバム。Stephen Streetプロデュースによる前作はシニカルなメロディをカラフルなアレンジで仕上げたイギリスっぽさを感じさせる内容でしたが、今作はバンドサウンドを強めつつ、若干の方向転換。

重いとか暗いという程ではないものの、前作のような外向きの直接的なエネルギーは控えめで、サウンド自体は雄弁で力強さを持ち合わせているものの、どことなく内向的な印象。個人的には身体に馴染むのに時間がかかったものの、今作の方が好み。

抑えめなエモーションを美しいオーケストレーションで纏った"Young Lion"やクネクネしたメロディラインをリズミカルなアレンジで仕上げた"Kiss And Resolve"など佳作多数ながらも、オンリーワンの強みで勝負するタイプではないので大きな注目を集めるのは難しそうですが、外連味のない楽曲群は着実な地力アップを証明。

地味にオススメ。

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2009年6月10日 (水曜日)

Arctic Monkeys来日決定

8月24日にニューアルバム"Humbug"をリリースするArctic Monkeysの来日公演が10月に決定したようです。

2006年4月以来、約3年半ぶりとなる単独公演の招聘元はクリエイティブマン。詳細は今後発表とのことです。

単独もサマソニでも見ていないので、次こそ見てみたい。

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2009年6月 9日 (火曜日)

Four Winds / The Lightning Seeds

Fourwinds The Zutonsらのプロデューサ、Ian Broudie率いるThe Lightning Seedsの約9年半ぶりの6thアルバム。正直、自分にとってのThe Lightning Seedsはアルバム"Cloudcuckooland"とシングル"Pure"が全てで、その後は今ひとつピンと来ないのですが、懐かしさのあまり購入。

さすがに以前のキラキラしたギターポップやジャストインタイムなブリットポップ的サウンドは影を潜め、さらに自らがプロデュースしてきたバンドのような変態ポップ~ロック的なアプローチを見せることもなく、少し懐かしさを感じさせるポップソングが奏でられています。

そんなニュートラルな楽曲群はキラーチューンこそないものの、10曲で30分強という長さも奏功して、心地良い響きという印象のまま終了。ちょっと肩透かしを喰らった気がしないでもありませんが、天然色のメロディの持つ良さを変に捏ねくり回すことなく、素直に仕上げた内容は好印象。すぐに飽きるかなと思いきや、聴くたびに新鮮な感覚が引き出されるという意外さも○。

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2009年6月 8日 (月曜日)

Yours Truly, The Commuter / Jason Lytle

YourstruelythecommuterGrandaddyJason Lytleの1stソロアルバム。彼方から遠慮気味に鳴らされるエレクトロニクスと素朴なメロディの組み合わせが抜群だった"The Sophtware Slump"以降、音のリッチ化が進んだバンド時代から一転、再びミニマムな構成での再スタート。

派手さとは無縁のメロディをスポイルしない範囲で飾り付けた楽曲群はメランコリーが支配し、アルバム全体を通して枯れた印象。但し、そんな寡黙な中だからこそ、時折現れる感情の起伏はその微妙さを超えて大きなウネリへと変貌。キーボードやストリングスで多少カラフルな"Yours Truly, The Commuter"やSEによる雑踏の中で物憂げなメロディを奏でた"Birds Encouraged Him"、シンプルなピアノをバックに従えたワルツ"This Song Is The Mute Button"など心に染み入る佳作が多数。

シーンに与える影響や強烈なインパクトとはかけ離れた内容は、既にGrandaddyのネームバリューも弱まった今となっては、多くの人達にとっては退屈な音楽かも知れません。ただ、丁寧に扱わないとすぐに壊れてしまいそうなメロディの儚さや美しさは個人的なツボど真ん中で大切な音楽。

特に、Grandaddyのラストアルバム"Just Like The Fambly Cat"に少し「?」も感じていただけに、この音を引っ提げて戻って来てくれたことに、ひとまず乾杯。

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2009年6月 7日 (日曜日)

Further Complications / Jarvis Cocker

Furthercomplications Steve Albiniプロデュースによる約2年ぶりの2ndソロアルバム。前作はホンノリと温かな楽曲が心地良い「白Jarvis」の印象がありましたが、今作はギターがラウドになったり、ソウルフルな曲が挟まれたりと「黒Jarvis」サイドがチラリ。

スローテンポで語りかけるボーカルのスタイルがいかにもな"Leftovers"やメランコリックさがジワジワと心に染み込んでくる"I Never Said I Was Deep"など前作路線の曲もありますが、メロディではなく、ギターが前面で主張する"Further Complications"やサックスをフィーチャーして黒っぽく仕上げた"Homewrecker!"、ポップでバイタリティに溢れるブルース"Caucassian Blues"などの新しい面も現れています。

サウンド的に分厚く、濃くなったのを認める一方で、大好きだった前作の柔らかさと優しさが失われたのは残念。あと、内容自体のバラエティが増えることで、個々の楽曲のバラツキが出てきた気も…どこか寂しげで、人間味溢れるリフを持った"You're in My Eyes"を始めとする佳作もあるだけに、それが何とも歯痒いところ。

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2009年6月 6日 (土曜日)

Primary Colours / The Horrors

Primarycolours PortisheadGeoff Barrowらを共同プロデューサに迎えた約2年ぶりの2ndアルバム。前作はガレージっぽい音というレビューを読んで「今さらガレージは…」ということでスルーしたんですが、今作は「化けた」という漏れ聞こえてくる声に興味を覚えて購入。

様々な音を複雑に絡ませて、本質部分を意図的に隠したり、輪郭をぼやけさせたようなサウンドは、「ジャケットのアートワークがピッタリの音だな」という第一印象。時折、Joy Divisionの影がチラチラすることもありますが、一時期シーンを席巻したお手軽なポストパンク~ニューウェーブの印象はなく、さらに初期のInterpolのようなスタイリッシュな面を強調しすぎることもないという独特の立ち位置。

アルバム全体を通して光量の調節が巧みで、非常に映像的な内容。多少陰鬱なボーカルが暗めのメロディを歌っても、作品全体がボンヤリと暖色系の明かりで照らされているような何とも言えない雰囲気。特に、「あっちの方」から聞こえてくる"Primary Colours"から初期のNew Orderのような甘めのデジタルサウンドを配した"Sea within A Sea"への流れがお気に入り。

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2009年6月 2日 (火曜日)

音楽ニュース (Editorsなど)

音楽ニュースをいくつか。

  1. Arctic Monkeysはタイトル未定のニューアルバムを8月24日にリリースする予定。このアルバムにはQueen of The Stone AgeJosh HommeJames Fordとのセッションから10曲が収録されるようです。
  2. Editorsがニューアルバム"In This Light And On This Evening"を9月にリリースするようです。
  3. Los Campesinos!からキーボードプレイヤーのAleks Campesinos!が脱退するようです。但し、現在John Goodmansonと制作中のニューアルバムと8月のアメリカツアーまで参加するようです。

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